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【再建】能登半島地震4か月 暮らしへの影響続く 新たな場所で再出発も《新潟》

能登半島地震から4か月、液状化により大きな被害が出た新潟市西区では生活再建の見通しが立っていない住民も多く、不安を抱えています。以前の場所はあきらめ新たなスタートを切る人もいます。 元日の地震から丸4か月……。 リポート 「西区寺尾では住宅の復旧作業が 進む一方で、こちらの家ではいまだ地面が隆起したままとなっています」 地盤の液状化が相次いだ新潟市西区です。 県内では2万2000棟を超える建物が被害を受け、このうち新潟市の被害はおよそ1万7000棟にのぼっています。 松田さん夫婦 「これはみんな持ってきた。(前の家は)リビングに孫の写真がいっぱい貼ってあるんですよ。だからさみしいなと思ってちょっと持ってきたんですよ」 松田正彦さん。地震で自宅が被災し、いまは空き家となっていた実家に戻って暮らしています。 引っ越し作業は一段落しましたが、いまもほぼ毎日元の家に行く生活が続いています。 その理由が…… 松田正彦さん 「すっかり穴が空いてしまった。これももう2倍くらいになっている」 敷地にできたひび割れ。 余震の度にひび割れが広がる心配がありますが手を付けられないといいます。 松田正彦さん 「り災証明は建物の証明なのでここに見に来た時には被害なしこの状況で被害なしだった」 10数年前に建て替えたという住宅。 その際に建物の下に杭を36本打ったため今回の地震で建物の被害はほとんどなく、り災証明書の判定は「一部損壊」でした。 庭や駐車場を直して住み続けることも考えていますが、り災証明書に基づいて支払われる支援金は一部損壊では10万円。修理費用をまかなえないといいます。 松田睦子さん 「うちだけ直してもダメだと言うんですよ、業者さんが」 松田正彦さん 「土砂が(下に)流れているので向こうを固めないと、私たちがいくらやってもみんなそっちへ流れて行ってしまうそういうことが考えられるので」 また、地域一体で地盤を直す必要性が指摘されていることもあり個人的な修理に踏み切れないといいます。 こうした中、新潟市は4月30日、2回目の住民説明会を開催。 市の担当者は、地域一体の液状化対策について、工事の着工までに2年から3年ほどかかると説明しました。 参加した松田さんは・・。 松田正彦さん 「自治体全体でやらないと民地だけでの修理では無理だろう」 再起を図る人も……。 こちらは寺尾地区にある「新潟西おやこ劇場」。 新潟西おやこ劇場 星 桂子さん 「ここが会員さんが集まってお茶のみしたり、おしゃべりしたり子どもたちが集まって料理したりしてました」 学校の放課後や休日などにさまざまなイベントが開かれ、地域の子どもたちの憩いの場となっていました。 新潟西おやこ劇場 星 桂子さん 「ここが一番液状化の泥が入ってきて」 運営する星桂子さんです。 建物は液状化により大きく傾き、取り壊すことになりました。 新潟西おやこ劇場 星 桂子さん 「思い出の品は持っていきたいですね。長い間お世話になりましたね」 “子どもたちの居場所”をなくしたくない・・。 前の場所から1キロほど離れた所に新たな拠点を構えました。 そして活動を再開……。子どもたちの元気な様子に救われたといいます。 新潟西おやこ劇場 星 桂子さん 「うれしかったですね。この3か月間気持ちがだいぶ揺れたのでやっとここに子どもたちの声が響いてきて、前向いていけるなと」 会員の中には自宅が被災した人も……。 子どもの居場所づくりの意味を星さんは見つめ直したといいます。 新潟西おやこ劇場 星 桂子さん 「100メートル家が違うだけでまるで被害状況が違う格差が。いま声かけない方がいいかなという気持ちも生まれてきていた。子どもたちは集まってしまえば本当に元気で楽しいし、仲間と一緒にいるのが一番なので、その声に引っ張られて被災されたご家庭のお母さん・お父さんも外に出なきゃなっていうふうに言っていた。いつでも出て来たいなと思った時に開けている場所でありたいので、活動は止めずにやり続けていきたい」 いまもなお不安を抱える人。 新たな場所で再出発を切る人。 それぞれの思いを抱えながら地震から4か月の日を迎えました。

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