
JA新潟厚生連
長岡中央綜合病院
病理部 臨床検査技師
病理部 臨床検査技師
県内の地域医療を支えるJA新潟厚生連の総合病院の一つである新潟医療センターを経て、現在長岡中央綜合病院 病理部で活躍する技師にお話を伺いました。
長岡中央綜合病院に異動されてきたばかりとお伺いしましたが?
はい。昨年より長岡中央綜合病院に異動してきて、半年が経ちました。
その前はJA新潟厚生連 新潟医療センターに技師として4年半勤務していました。

現在の業務内容を教えてください。
現在は臨床検査技師(医師の指示のもと、患者の血液や尿などの検体検査や、心電図や脳波などの生理機能検査等を行う医療技術者)として病理部門に所属しており、主に病理医が組織診断に用いる標本の作製と、細胞診用の標本作製および細胞診判定を日常業務としています。
標本はどういう風に使われるのですか?
標本を作製する事により、肉眼的にだけでなく顕微鏡レベルでも検体を観察できるようになります。それを用いて疾病の診断をしたり、治療方針の決定の手がかりを得たり、治療の効果の判定も可能になります。
昨年新たな資格を取得されたと伺いましたが?
昨年、細胞検査士(病院や診療所などで、医師が採取した細胞を顕微鏡で観察してがんや異型細胞を検出する医療専門職)の資格を取得しました。細胞検査士は専門性の高い資格で、異型を見逃さない集中力と、正常細胞と異型細胞を見極める知識・経験が必要とされます。病理部門で働く臨床検査技師の多くが必須とされる資格です。細胞診は主に癌の早期発見や、病変の推定に役立ちます。資格勉強は働きながらであり取得まで苦戦しましたが、指導していただいた先生方や先輩方のおかげで晴れて合格できました。今は私も細胞検査士の一人として、細胞診業務に励んでいます。
臨床検査技師になる事は昔からの夢だったのですか?
幼い頃から病院のお世話になる機会が度々あり、医療の現場に興味を持ちました。高校の時に医学部に進路を決め、どの職種を専攻しようか悩みましたが、自分の性格や得意分野などから検査技師が向いているのではないかと考え、新潟大学の検査技術科学専攻に入学しました。

次に、就職までの経緯を教えてください。
大学の求人掲示板に各病院からの求人広告があり、私はそこから自分の条件に合う病院を探しました。就職活動という括りで言えば、一般企業へのアプローチと同じです。中にはWeb等で探して申し込む人もいます。私の在籍していた大学では大きな病院の求人募集が多かったです。私は様々な症例を経験できる大きな病院で、なおかつ病理部門のある病院を希望していたので、JA新潟厚生連を選びました。
JA新潟厚生連の病院を選んだ決め手は?
JA新潟厚生連は地域に根付き、病院が少ない場所に医療を提供しています。生まれも育ちも新潟なので、地域の為に役立ちたいという思いがあり、そこが決め手になりました。
新潟市から長岡市へ異動してきましたが、そこに抵抗はありませんでしたか?
異動してまだ半年ですが、私は一つの病院にいるより様々な病院を経験する事で自身のスキルアップに繋がると考えています。現在の長岡中央綜合病院は症例が多く、最初は戸惑いましたが今はやりがいを感じて日々仕事をしています。これも県内に多くの医療機関を運営しているJA新潟厚生連だからこそ経験できる事なので有難いですね。
そうなのですね。では、現在勤務している病院の強みはどこだと思いますか?
長岡中央綜合病院は長岡市内では有数の規模を持っています。多くの診療科もあり難しい手術にも対応しているので他の病院等から紹介で来られる方が多く、信頼されている病院だと思います。それだけ経験豊富なスタッフが揃っている病院なのが強みではないかと思います。
経験豊富なスタッフがいるのは受診する側は安心ですね。働きやすさはどうですか?
現在の部署は日頃からスタッフ同士が接しやすく、異動したばかりの私でも自分の意見や考えを分け隔てなく提案出来る環境です。また、常勤の病理医がいますので、困ったことや難しい症例があった時もすぐに相談でき、安心して業務に励めます。レポートや研修内容のアドバイスも部署全体で連携して行っているので、本当に働きやすいですね。
今までの業務の中で、一番印象に残っている事は何かありますか?
コロナ禍での入職で、かけがえのない経験をしました。
私が入職した当時は新型コロナウィルスが流行り始めの時でした。今は誰でも聞いたことのある「コロナPCR検査」ですが、この検査をおそらく新潟で初期に行った一人として携わることができたことです。

入職されてすぐにその大役ですか?
はい。当時の新潟医療センターの病理部 主任さんから「新人の君も参加してもらおう」と提案があり決まりました。当時は知識も少なく、「何故病理でコロナPCR?」と疑問に思っていましたが、実はPCR検査を含め、遺伝子検査は病理とも密接に係わっています。困難もありましたが精一杯務めさせていただき、今は皆様のお役に立てたと思っています。
貴重な経験をされましたね。他に苦労した点はありますか?
大学の卒研が病理だったのでその頃から病理部門には親しみがあったのですが、実際は更に現場で学ぶ事が多くありました。例えば、講義で作業過程は理解しているけど、1日の中で作業の流れや優先順位をつかむのに苦労しました。私の場合ですが、大体3ヶ月くらいでようやく要領をつかめてきたと思います。
やはり、経験が必要ですね。
そうですね。病理部門は手作業が多いのですが、それには練習が必要です。繰り返しの作業でコツや効率は上がりました。こればかりは理屈じゃなく経験だと思いました。あと、最初は標本を見ただけでは「どこを見ることを最たる目的としているのか」「追加検査が出たが、何のためのものか」が解らなかったのですが、現在はかなり理解出来るようになったと思います。
現在は後輩に指導する立場だと思いますが、何か気を付けている事はありますか?
新潟医療センター時代に後輩ができ、初めて私が教える立場になったのですが、自分が日頃当たり前のように行っている作業を後輩に説明する難しさを実感しました。今後も、後輩から「この作業は何故必要なのですか?」と聞かれた際にしっかり説明できるよう、自身の知識や理解を深めたうえで、説明の仕方を意識していきたいです。

ご自身が先輩から指導を受けた経験は役に立ちましたか?
私の場合は先輩の作業を一通り見せて頂き、次はさっそくやってみる、ということが多かったです。ただし基本は実践重視ながらも、困ったときの質疑応答には丁寧な答えを貰えていましたので安心して取り組めました。
私も後輩に指導をする際は基本同じスタイルで、「わからない事があったら何でも何回も聞いてね」と先輩の指導を参考にさせて頂きました。
仕事の話だけを聞いてきましたが、仕事終わりやお休みの日は何をして過ごしていますか?
病院勤務なので職種によって勤務時間や休日は様々ですが、病理部は通常8時から17時まで、休みは土日祝日です。現在は長岡市で一人暮らしですが、休みの日は実家に帰る事が多いです。実家には両親と弟がいて、家族でドライブや食事に行く時間が一番の幸せです。帰らない週の休日や仕事上がりは、長岡市内を散策してみたり、買い物に行ったり、部屋でリラックスしたりして気分転換をしています。
最後に、今後の目標を聞かせてください。
現状の仕事をマスターしつつ、新たな資格取得へチャレンジします。
現在異動して半年なのでまだまだ覚える事が多く、先ずは現状の仕事をそつなくこなせるようになるために日々奮闘しています。それが達成できたら、国際細胞検査士や認定病理検査技師など、更なる資格の勉強にも取り組もうと考えています。
