PRODUCED BY

にいがたの若者と企業をつなぐプロジェクト

INTERVIEW

JA新潟厚生連

2年目 長岡中央総合病院
HCU勤務 看護師

HCU勤務 看護師

  • トップ
  • コラム
  • 2年目 長岡中央総合病院 HCU勤務 看護師 - JA新潟厚生連

HCU(高度治療室)で日々奮闘する若手看護師

掲載日:2024/1/24
更新日:2024/1/24

 県内の地域医療を支えるJA新潟厚生連の総合病院の1つである長岡中央綜合病院にて、1年目からHCU病棟で活躍する看護師にお話を伺った。

はじめに所属するHCU病棟について教えてください。

急性期の患者さんの看護を担いたいという希望からHCU病棟に配属

 皆さんICU(集中治療室)は聞き馴染みがあると思いますが、HCUは高度治療室の略称です。緊急の状態や重篤な状態を脱した患者さん、手術後で集中的に経過観察が必要な患者さん、重症度が高まり一般病棟ではケアが難しい患者さんを担当する病棟になっています。

1年目から患者さんにとって重要な時期の看護を担当されてるんですね!

 看護学校時代から、急性期(病気になって間もない時期や、病状が安定せず集中的な医療介入を要する時期)の看護を担当したい希望があり、看護師として入職後HCU病棟の配属になりました。担当する患者さんへの声掛けを大事にしながら、患者さんの状態が回復して一般病棟に移れるよう日々頑張っています。

次に看護学校時代のエピソードを教えてもらえますか?

看護学校時代の実習期間の経験も糧に

 私はJA新潟厚生連の中央看護専門学校を経て看護師になりました。高校時代に進路を考えていた頃、自分の周りに介護職や医療事務を希望する同級生も多く、祖母が看護師だったこともあり、自宅から通いやすく少しでも早く看護の仕事がしたいと考え中央看護専門学校で3年間学ぶことに決めました。
 2年生の冬から国家試験までの約1年間が実習期間になるのですが、私は現在勤務する長岡中央綜合病院のHCU病棟で実習を受けました。実習期間中は1人の患者さんを受け持つとともに、日々の実習後の課題やレポート、国家試験に向けた勉強などかなり忙しい毎日だったのを覚えています。

看護学校時代からかなり中身の濃い期間を過ごされていたんですね。聞くだけでもかなり忙しそうです。

 今までで一番勉強したかもしれません(笑)。今も同じ職場ですが、専門学校時代の同期がいたからこそ乗り越えられたかなと思います。特に国家試験前はみんなで一致団結して実習に臨んでいました。

実習期間中に一番印象に残っていることは何ですか?

 実習期間中に受け持たせてもらった一人の患者さんへの看護が一番印象に残っています。それまでの治療期間が長く、手術を控える患者さんでしたが、HCUに移られてきた時から不安な気持ちを吐露する瞬間が多かったため、当時自分自身としては声掛けを大事にしていました。
 短い期間の関わりでしたが、看護師になって以降「あの時もっと違う声掛けもできたんじゃないか」という心残りもあり現在の仕事の糧になっています。痛みや苦しさを取り除くことが優先されるHCU病棟の中で声掛けや精神面でのサポートを大切にしたいと強く感じさせてくれた出来事でした。

それではHCU病棟の看護の特徴や職場の先輩後輩関係について教えてください。

患者さんの入院期間中多くの時間に関わる看護師だからこそより多くの経験を積み、学び続けることの大切さ

 一般病棟では一人の看護師が患者さんを交代制で担当することが多いですが、HCUはペアナーシングといって二人の看護師が症状の重い患者さんを受け持つことが特徴です。二人での担当の分、患者さんにはより安全な看護を受けていただくことができます。
 私は先輩看護師とペアナーシングをしていますが先輩に頼りっぱなしになってしまうこともあり、もう少し頑張らないといけないなと思うこともあります。

ペアナーシングでは先輩の存在は大きいですね。先輩から身近で学ぶことも多くありそうですね。

 学ぶ機会は本当に多いですし、とても心強い存在です。先程も話にありましたが、私が大切にしている声掛けについても、先輩の患者さんに対する声掛けは症状に合わせて的確で、看護師として把握しておきたい情報もさりげない会話のやり取りから掴んでいますし、医療機器への知識や仕事への効率の良さにしても少しでも早く先輩みたいになりたいと思っています。
 また、HCUは、他の病棟から患者さんが移ってくる病棟なので、例えば呼吸器内科や脳外科のように一つの科の対応をするのではなく、幅広い分野の知識を持って対応する必要があります。看護の現場で先輩から学ぶこと、医療の知識として学ぶことの両面で私自身も学び続けていきたいです。

同期との関係も教えてもらえますか?

 看護学校時代の同期との関係ももちろんですが、看護師として長岡中央綜合病院に入職してからの同期ともよくご飯に行ったりします。仕事中は病棟ごとに分かれているため職場で一緒になることは多くはないですが、仕事の相談もやはり同期ならではの話しやすさがあります。プライベートでは、特に冬は仕事終わりに好きなスノボに一緒に行ったりもします。夜勤明けの平日のスキー場は混んでいないので存分に楽しめますよ(笑)。

続いて職場の「働きやすさ」と「働きがい」についても教えてください。

 先輩とは年齢が離れていてもフレンドリーな関係です。1年目は看護現場での学びとして出された課題についても先輩が内容を見てくれますし、足りないところも丁寧に補ってくれます。時には残業もありますが、残業申請しやすい環境が整っています。
 仕事をしていて、症状の重い患者さんが元気になって一般病棟に戻れる時が一番うれしいですし、患者さんとともに自分も頑張っていて良かったなと感じます。やりがいはやはりその部分ですね。

職場の上司がそのような環境を整えてくれるのは働きやすさの面で大きいですね!そんな「働きやすさ」も「働きがい」もある職場で今一番頑張っていることは何ですか?

 看護の面で言えば、患者さんの伝えたいことを汲み取れるようにすることです。例えば呼吸器を付けている患者さんは話すことができなかったりするので、患者さんの顔や口の動きを見て伝えたいことを汲み取れるように文字盤やホワイトボードを使ったりすることもあります。その上で私が大切にしている声掛けもより良い声掛けとなるよう努力しています。もちろん医療機器の知識・理解も努力している部分です。
 また、2年目になり同じHCU内で後輩もできました。年齢が近いからこそ気軽に相談してもらえるように自分から関わるようにしています。私自身が先輩の存在は大きかったので、後輩にとって自分もそうなれたらと思っています。

JA新潟厚生連は地域の健康と心の支えを重視されていますが、地域医療を支える面で日々の看護の現場に通じていることはありますか?

新潟の地域医療の中核を担うJA新潟厚生連で見据える今後の目標

 私が勤務する長岡中央綜合病院では地域連携支援部があり、患者さんの退院後に自宅や地域での生活をサポートする部署が充実しています。
 HCUには県内各地から患者さんが来られるので、「一番苦しい時や医療が必要なタイミングに頼りにしてもらえる場」が看護の現場であり、地域の健康と心の支えを体現していると感じています。

最も必要とされる時にこそ求められる役割が、看護師の皆さんにあると話を伺っていて強く感じました。今後の目標を最後に教えてください。

 看護師として3年目になると、自立して患者さんの状態をきちんと見ていけるように、一つの症状だけではなく、全身の状態を管理できるように看護の内容と質に磨きをかけていきたいです。
 また、3年目の看護師はプリセプターといって1年目の看護師のフォローにつく立場になります。実地指導につく先輩とともに私自身は後輩の精神的な部分もフォローができるように日頃から話しやすい雰囲気をつくっていけるようにしたいです。
 私個人としては、HCU病棟はもちろん、他の病棟でも通じる知識と経験を積んでいきながら、看護師として患者さんの支えとなったり力になり続けていくことを今後の目標にしていきたいです。